植田日銀総裁の記者会見

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2024年3月19日午後4時半過ぎ、日銀金融政策決定会合後の植田総裁の記者会見(日経電子版LIVE)を見終えたところです。

「すばらしい!」

記者からの質問に対して、これほどに丁寧にお答えになる総裁は、私は他に知りません。1月の会見でも今回3月の会見でも感じたのですが、質問記者の顔を見て、その質問に真摯に向き合い「主役は質問者にある」が如く、丁寧に説明される方です。だから質問者からも批判的・攻撃的な質問はほとんど出てこない。

今回の日銀の政策変更はひと言でいえばマイナス金利政策の解除。なんでもやる!という「異次元の金融緩和政策」は役割を終えました。政策の中心は伝統的な金融政策である短期金利に移行します。

「利上げ!?」とちょっと心配になりますが、短期金利(無担保コール翌日物レート)の誘導目標をマイナスから0~0.1%程度に引き上げるというものであり、長期金利(10年物国債利回り)は市場の金利形成に委ねるものの急激な変動があれば今まで同様の規模で国債の買い入れで急激な金利上昇を抑えます。金融政策の変更後の現時点でも長期金利は0.73%程度で低位・安定的に推移しています。

住宅ローンを組んでいる方は、金利上昇が心配になるかも知れませんが、私に言わせれば「もともとローンを組んでいる人にとってはハッピー!になる」です。もちろん金利(名目)上昇そのものだけをとらえれば「ハッピー!」なんてノー天気なことはいえないでしょう。ただし先に書いたように短期金利も長期金利もきわめて低い(1%未満の)なかで、物価上昇率が1%を超えてきた現在は、実質金利(名目金利-物価上昇率)はマイナスです。どんどんと借金の価値が目減りする、というと言い過ぎでしょうか。さらに、さらにうれしいことに春闘状況や日銀調査等で大企業(5%前後)を中心に、中小企業(4%前後)も含めて賃金上昇が定着してきています。賃金上昇をともなう物価上昇を、日銀はマイナス金利政策の解除の条件としてきました。条件が整ってきたとの判断です。

さて、植田総裁のもうひとつの「すばらしい!」ところ(私はこちらの点をとくに評価します)

市場と真摯に向き合い、丁寧な市場との対話を通じて「主役は市場にある」が如く、丁寧な金融政策運営を主導される方です。だから市場の波乱がほとんど生じない。

昨日の日経平均株価1,000円高、今日の再度の4万円乗せ、長期金利の低下。あっぱれ!です。

ただし今後のさらなる株価上昇のためには、ある程度の株価調整(下落)は必要であり、生じるでしょう。年に2~3回、心配になるような下落があるかも知れませんが、それはジャンプの前の屈伸です。ひざを伸ばしたままではジャンプもできません。

為替の円安は海外旅行をする立場で困りますね。今の円安は金利差だけで説明がつきません。株価上昇は円安傾向を生じさせます。(続く)